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日本近代有数の美術コレクター、芸術のパトロンであった原富太郎(号・三溪、1868-1939)。自筆史料「美術品買入覚」(「買入覚」、三溪園保勝会蔵、全5巻、記載作品は4千百余点)など貴重な一次資料を精細に読み解き、三溪が美術の蒐集と美術家支援にいかに関与し、日本の近代美術史の展開にいかなる意義を有するものであったかを論じる。また、同じく古美術蒐集と芸術家支援を行い三溪とも関わりのあった細川護立との比較、今村紫紅《護花鈴》、安田靫彦《夢殿》の作品論などにより、三溪の活動の特質を複層的に明らかにする。従来の美術史研究では看過されてきたコレクター、パトロン研究を正面から取り上げた画期的論考。
著者:三上 美和 ( ミカミ ミワ ) 発行:国書刊行会 縦書き・ページ数:344 ISBN:9784336061508 [2017年2月15日初版第1刷]
☆篤志家として作品蒐集のみならず、多くの芸術家を支援した原三溪について、さらに理解が深まります。