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生産と消費、交換と搾取、競争と協力など私たちの経済的な営みに着目し、多様な生命と組織が織りなす生と死のダイナミズムを捉え直す。
細胞はなぜ無駄な抗体を作るのか、脳はなぜ不合理な判断をするのか、文学はやはり蕩尽なのか、国家はなぜ戦争をするのか、それでも人びとはなぜ助け合うのか?
<目次>
はじめに 西尾 宇広
「生命の経済」という視点からみた人間の特異性
「協力の哲学」に向けて 田中 泉吏
Ⅰ 心と体の経済学
なぜ体は〈無駄〉だらけなのか?
タンパク質の翻訳後修飾 清水 史郎
心的エネルギーのダイナミズム
“無意識” に光をあてる 森 さち子
行動経済学とビッグデータから探るヒトの意思決定と行動
脳に埋め込まれた過去の遺物を理解し、よりよい行動を起こさせるに
は? 星野 崇宏
Ⅱ 生と死の経済学
生と死と環境基準 奥田 知明
生きるリスクと死ぬリスク
寿命と向き合うファイナンス 中川 秀敏
動物の生死と人類
屠畜と肉食の文化人類学 宮本 万里
Ⅲ 互助と互恵の生物学
互恵的な社会が生まれるまで
アリストテレスに学ぶ政治と経済 稲村 一隆
誕生と加齢の経済学
社会はなぜ助け合うのか? 駒村 康平
生命の経済史
資本主義と公共善 山本 浩司
生命から学ぶ社会の成長と消費
バタイユ「全般経済」再考 石川 学
編者:西尾 宇広(ニシオ タカヒロ) 発行:慶應義塾大学出版会 横書き・ページ数:260 ISBN:9784766426762 [2020年6月5日初版第1刷]
☆奪い合いか、助け合いか?生命活動と経済活動の関係を様々な視点から論考します。