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赤字の民主主義 ケインズが遺したもの

赤字の民主主義 ケインズが遺したもの


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日経BPクラシックス 第16弾

 1000兆円を突破した日本の財政赤字を待つまでもなく、民主主義国の政府はとかく財政赤字を膨らませがちだ。民主主義が財政赤字を生み出すのは、ケインズ経済学に原因があると、ケインズ経済学全盛の1970年代に断罪したのが本書。
 経済学の始祖アダム・スミスは「国家財政は家計となんら変わらない」と説いた。この「責任財政」の原則は、ケインズ革命によって崩れ去った。ケインズは、家計と財政は別物であり、均衡財政の「呪縛」から解き放たなければ、失業も不況もなくならない、と説いたからだ。「市場は不完全であり、不況時には財政赤字を通じて総需要を増やし、景気回復を図るべきだ」というケインズの教えは、瞬く間にアメリカの二流・三流学者を虜にし、教科書に盛り込まれた。ところが、1970年代に入って、アメリカの財政赤字は膨らみ、政府は肥大化し、インフレと高失業率が共存するスタグフレーションに苦しんでいる。
 やはりケインズが間違っていたのだ。どこか。不況時の財政赤字を好況時の財政黒字で相殺するというケインズの処方箋は、知識階級のエリート層が政策を自由に決定できる世界を想定している。しかし、現実の民主主義社会では、政治家は選挙があるため、減税はできても増税は困難だ。ブキャナン、ワグナーは、民主主義の下で財政を均衡させ、政府の肥大化を防ぐには、憲法で財政均衡を義務付けるしかない、と主張する。解説は土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授。

著者:ジェームズ・M・ブキャナン、リチャード・ワグナー 訳者:大野 一(オオノ ハジメ) 発行:日経BP社  縦書き・ページ数:368 ISBN:9784822250539   [2014年11月18日第1版第1刷]

☆例えば、国政選挙のような多くの個人による選択(公共選択)は、誤った政策に結びつく場合があります。政治を経済学の視点から分析する公共選択論によるケインズ経済学の批判書。経済学を学び直したい方に。